Melexis、次世代温度測定向けの最先端センサ技術を2種類発表

高性能サーモカメラに代わるIRセンサアレイ / 1.300°Cまでの自動車センサに対応する4チャンネル熱電対インターフェース
Electronica 2016, Munich, 2016年11月8日 - 優れたエンジニアリング哲学を通じ未来のイノベーションを目指す世界的なマイクロエレクトロニクス企業、Melexisは、安全性、効率、利便性を強化するアプリケーションへの温度測定の組み込みを簡易化する2つの新しいセンサ技術を発表しました。
過酷な環境でも信頼できる動作性能と高解像度を組み合わせた高性能赤外線(IR)センサアレイMLX90640は、高価なハイエンドのサーモカメラに代わるコスト効率の高いデバイスです。この32 x 24ピクセルのデバイスは、防火設備、スマートビルディング、インテリジェント照明、IP/監視カメラ、冷暖房機器、自動車の座席占有検知など、安全性および利便性のためのアプリケーションに適しています。動作温度範囲は-40°Cから85°Cで、-40°Cから300°Cの物体の温度測定が可能です。すべての測定範囲で高い精度を維持するこのコスト効率の高いデバイスは、通常±1°Cの精度で温度測定を実施します。さらに、1Hzのリフレッシュレートでわずか0.1K RMSという雑音等価温度差(NETD)で、雑音性能にも優れています。マイクロボロメータのデバイスとは異なり、このセンサは頻繁な再校正が不要なため、継続的なモニタリングとコスト削減が可能です。視野(FoV)オプションは、標準の55°×35°バージョンと110°×75°の広角バージョンで構成されます。MLX90640は、必要な光学センサが組み込まれたコンパクトな4ピンTO39パッケージで提供されます。An I²C対応のデジタルインターフェースにより組み込みが簡素化されます。
またMelexisは同時に、極端な温度の測定において、高速な応答と非常に高いレベルの精度を達成する、革新的で高性能の4チャンネル熱電対インターフェースであるMLX90342も発表しました。この製品は、自動車の設計者がエンジンとエキゾーストのこれまで以上に厳しい熱管理と熱制御のニーズに応えるための特別設計です。効率の良い新しい小型のエンジンの設計には高温の問題が関連するため、こうしたニーズが高まっています。対象とするアプリケーションとしては、ターボチャージャーの温度制御、排気再循環(EGR)、選択式触媒還元(SCR)、ディーゼル用酸化触媒(DOC)、ディーゼル/ガソリン粒子ろ過システムなどがあります。約30年の自動車エンジニアリングの実績を活用したMLX90342は、-40°Cから1300°Cの熱電対温度範囲に対応し、動作温度は-40°Cから155°Cです。高度な冷接点補償と線形化機能内蔵の工場校正済みのこの製品は、1.100°Cで±5°Cの内在精度を保証します。つまりこのセンサは、現在市販されている他のデバイスの2倍の精度を達成します。センサインターフェースは26ピン6mm x 4mmの小型QFNパッケージで提供され、メーカーが期待する高速応答に対応する50Hzの高速リフレッシュレートを実現します。温度データはデジタルインターフェースSENT Revision 3経由で送信され、広範な診断機能がセンサとインターフェースのヘルスをモニタリングします。これにより、追加のコンポーネントなしに動作上の問題を特定することが可能となります。この結果、センサとエンジン管理ソフトウェア間のデータのシグナルパスのインテグリティが完全に保証されます。さらに、総合的な内蔵故障検出メカニズムが、自動車の排気に関する最新の規制に準拠したセンサ設計を支援します。
Melexisのセンサ事業部門の部門長を務めるDamien Macqは、「この2つの新しいデバイスは、温度センサの分野で業界をリードする当社のポジションを強化するだけでなく、このデバイスを活用するエンジニアリングが、安全性、効率、利便性を支援する将来のアプリケーションに実際のメリットを提供することができることがさらに証明されます」と述べています。「これらの新しい技術が示すように、過酷で高温な自動車環境における性能と信頼性に関する厳しいニーズから、低価格で高性能かつ高品質のセンサが求められるアプリケーションに関連する課題まで、当社は考えられる限り最も広範な温度範囲のセンサ要件に対応できるソリューションをご用意しています。」