Melexisがeモーター用高速インダクティブ型レゾルバで自動車の電動化を簡素化

オンチップでオフセットと伝搬遅延補正を備えた革新的なアーキテクチャにより、最大240,000e-rpmの速度で正確な外乱磁場耐性型位置検出を実現

ベルギー、テッセンデルロ、2021年12月16日 – Melexisは、外乱磁場に本質的に影響を受けない新しいインダクティブ型センシングICを開発しました。MLX90510は、過酷な機械的/電気的条件下でクラス最高の精度を得るのに必要なECUの労力を最小限に抑える高速レゾルバです。優れたEMC機能を備えたMLX90510は、eモーター制御、eブレーキブースター、eパワーステアリングのアプリケーションに最適です。

MLX90510 - High-speed inductive resolver with analog output

世界的なマイクロエレクトロニクスエンジニアリング企業であるMelexisは、オープンマーケットでは初となるインダクティブ型センサーICを発表しました。MLX90510は、最大240,000e-rpmで<+/-0.36°の優れた精度を提供します。MLX90510は、高精度、EMC、安全性が要求される高速センシングアプリケーション向けに設計されています。MLX90510は、eモーター(eアクスル)、eブレーキブースター、eパワーステアリングのアプリケーションでの使用を目的としています。

「効率的な電動パワートレインでは、ステーター(固定子)の供給電流をローター(回転子)の位置と同期させる必要があります。これにより、最適な効率とトルク特性の制御が可能になります。」と、Melexisのインダクティブ型センサープロダクトマネージャーであるLorenzo Luganiは述べています。「デジタルアーキテクチャと堅牢な設計により、自動車メーカーのエンジニアは、ECU側で最小限の作業を行うだけで、MLX90510のEMCの堅牢性を最大限に活用することができ、結果としてモジュールのコスト削減につながります」と、述べています。

MLX90510は、デジタルアーキテクチャを採用し、差動サイン/コサインアナログ出力を備えています。また、Melexisの特許であるトラッキングループ技術を採用しています。この革新的なアーキテクチャには、いくつかの利点があります。

  • システムの伝搬遅延を0nsに抑制し、動作温度範囲全体で最大±120nsの残留変動を実現します。
  • IC内で入力オフセット補正とゼロ出力角度位置調整を行うことで、ECUへの負担を軽減します。
  • 3相ベースのコイル設計により、直線性の最適化が簡素化されます。
  • 入出力間のデカップリングにより、これまでにないEMC性能を実現しています。また、エアギャップ関連の入力信号強度とは関係なく、安定した出力振幅を確保しています。
  • 最大16のキャリブレーションポイントを備えた線形化機能は、シャフトの側面などの困難なセンサーモードの非線形性を処理します。

MLX90510は、PCBベースのコイルのセットと組み合わせて動作します。これらはモーターのポール(極)ペア数に容易に対応できるスケーラブルな設計になっています。このICは、軸上(シャフト端)および軸外(シャフト側面またはシャフト貫通)の両方の動作に対応する複数の検出モードをサポートしており、誘導コイル設計の柔軟性を最大化して、最も要求の厳しい機械的制約に対応します。MLX90510は、過電圧および逆極性保護(電源:+/-24V、出力:+/-18V)を備えており、電気的な問題に対して優れた堅牢性を発揮します。さらに、このセンサーはAEC-Q100に準拠しており、-40~+160℃までの温度範囲で動作します。また、ISO 26262 ASIL-C機能安全ガイドラインに完全準拠しており、ASIL-Dシステムレベルまでの統合に対応しています。

MLX90510は、RoHS TSSOP-16パッケージで提供され、ご要望に応じてサンプルが提供されます。

詳細情報:www.melexis.com/MLX90510


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