Melexis、ロボットに触覚を提供

完全統合型センサーのプロトタイプが、ロボットハンドの機能を充実
ベルギー、テッセンデルロ、2022年2月8日 - Melexisは、ロボットが壊れやすいものや、多様なものと相互作用する能力を向上させるための大幅な革新を起こしました。同社は、コンパクトで柔らかく、その表面に作用する3D力ベクトルを提供する完全統合型触覚センサー「Tactaxis」を発表しました。 これにより、ロボットの手やグリッパーが改善され、果物の摘み取りなどの繊細な作業が可能になります。この技術は、機能するプロトタイプへの実装に成功しています。
この画期的なプロトタイプは、Melexisの業界で実績を有するTriaxis®テクノロジーを使用した、複数の3D磁力計ピクセルを搭載しています。このセンサーには、エラストマー材料に埋め込まれた磁石が付属しています。これにより、人間の皮膚の特性を模倣したソフトな接触インターフェイスが実現します。この配置は高感度であるため、小さな力でも検知して反応します。実現した力の分解能は2.7mNで、これは1グラム単位(~0.3グラム)の重量変化を識別するのに十分なレベルです。
Tactaxisのプロトタイプは極めてコンパクト(寸法は5mm × 5mm × 5mm)なので、狭い場所での使用に最適です。

勾配測定のアプローチによって、センサーは磁界の影響を受けません。これにより、潜在的な測定誤差を防ぐことができます。また、温度変化などの過酷な条件にも対応できる堅牢性も備えています。競合する光学式触覚センサーとは異なり、Tactaxisは完全に統合されており、工場で校正されたセンサーの大量生産が可能です。この半導体プロセスにより、コストと信頼性の面で大きなメリットが得られます。
Melexisでグローバル・イノベーション・マネージャーを務めるGael Closeは、次のように述べています。「ロボットが壊れやすいものを操作するためには、触覚が必要です。このようなアプリケーションのために、私たちは外乱に対して堅牢でありながら、接触力を正確に測定する新しい磁気センサーを開発しました。当社のTriaxis®磁気センサー技術の能力を活用することで、ロボット触覚センサーを大きく前進させ、頑丈で競争力のある多軸センシングソリューションを提供することができました。今後、Tactaxisのプロトタイプを基盤として、さらなる開発を進めていきます」
Melexis 3D磁気フォース・センサー・プロトタイプの詳細を示すホワイトペーパーがIEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)より発行されました。T. Le Signor, N. Dupré, and G. Close, "A gradiometric magnetic force sensor immune to stray magnetic fields for robotic hands and grippers", IEEE Robotics and Automation Letters, Jan.2022.